英語で仕事 翻訳の分野とトライアル受験の条件

英語で仕事 翻訳の分野とトライアル受験の条件

前回の記事で、語学力を活かせる仕事として、校正・校閲という仕事があることを紹介しました。
翻訳会社の校正者・校閲者になるためには、トライアルを受けて合格することが必要です。
この記事では、トライアルを受けるまでのステップについて説明します。

翻訳の種類 産業翻訳とは

翻訳という仕事は、出版翻訳、映像翻訳、および産業翻訳に大別されます。
前提として、この記事を含む一連の記事で翻訳というときは、産業翻訳のことを意味しています。
産業翻訳は実務翻訳とも呼ばれ、分野によっては技術翻訳などという場合もあります。

それぞれを簡単に説明します。
出版翻訳とは、外国語で書かれた文章を、日本語の書籍にする仕事(またはその逆)です。
ノンフィクションや学術書の場合は、産業翻訳と大きな違いはないかもしれません。
しかし、文芸書の場合など、セリフの訳し方や日本人には理解が難しい場合の対応など、産業翻訳とは異なる常識があるかと思います。

映像翻訳は、映画などの映像作品のための、字幕や吹き替え原稿を作る仕事です。
字幕を表示できるスペースや時間に制限があったり、吹き替えの場合は口の動きに合わせる必要があったりと、かなり大胆に変更する場合があるでしょう。

産業翻訳は、官公庁への提出書類、カタログ、メール、議事録、契約書、推薦状、ソフトウェアのローカライズなど、多岐にわたる対象を翻訳します。
翻訳の需要の大部分は、産業翻訳であるといわれています。
産業翻訳の特徴として、文芸翻訳や映像翻訳と比べて、原文に忠実に訳すことが挙げられます。

翻訳会社のHPにアクセス

校正者・校閲者の募集は、翻訳会社のwebサイトで行われています。
フリーランス契約の場合、常時募集しているところが多く、会社によってはメールマガジンで告知していることもあります。
多くの企業のHPには採用情報のページがあり、校正者・校閲者の求人情報もそのページに記載されています。
前回の記事にも書きましたが、会社によっては、校正、校閲、プルーフリーダー、チェッカーを区別している場合があります。
どのように使い分けているかは会社によって異なりますが、翻訳者のケアレスミスを修正する仕事と、高度なスキルに基づいて誤訳を修正する仕事を区別するために、呼び方を変えていることが多いでしょう。
トライアルを受ける場合、履歴書をメールで送るか、応募用の入力フォームを通じて、氏名、連絡先、経歴などを送信します。
数日のうちにトライアルの問題が送られてきますが、書類選考を通過した応募者のみに問題を送る会社もあります。

トライアルを受けるための条件

校正者・校閲者として登録するための必要資格を定めて、応募者を制限している会社もあります。
金融や電気、化学など特定分野について知識があることや、一定以上のTOEICスコアを求めている会社もあります。
翻訳者のケアレスミスを修正する仕事の場合、700~860点程度を要求する会社が多いようです。
校正・校閲をするためには、英文を読んで理解できる必要があるのは確かですが、リスニングが苦手な人には少し厳しいかもしれませんね。
翻訳者の求人では、3年以上の経験など、経験年数で制限されていることが多くあります。
それに対して、校正者・校閲者に経験年数が課されることは、翻訳者の場合ほど多くありません。
また、合格した場合に、1週間に最低でも20時間の仕事を受けることや、登録後の半年間は辞めないことを求めている場合もあります。

言語や分野の選択

募集されている対象言語は、主に日英および英日です。
それ以外の言語に対応できる人材を募集していても、トライアルは英日・日英しか用意していない会社もあります。
分野は、その会社が扱っている翻訳分野に対応して、医薬、電気、金融、法務などが設定されています。
多くの会社では、トライアルの担当者が応募者のバックグラウンドに応じて問題を選定するか、トライアルを受ける際に自信のある分野を2つ程度選択します。

受験する際の注意

トライアルの問題は、原文・訳文それぞれ、A4で3ページ前後のことが多いようです。
これを指示に従って校正します。
例えば、Wordファイルで送られた問題を、Wordの機能を使って修正履歴を残すように指示されます。
制限時間は、1時間程度を指定されている場合もありますが、時間無制限で、実際にかかった時間を記載する指示がある場合もあります。
一度不合格になったら、半年から1年程度は再受験できない会社が多いようです。
入念に確認してから提出しましょう。

最後に

この記事では、翻訳の種類を説明し、産業翻訳の校正・校閲者になるためのトライアルの受け方を紹介しました。
別の記事で、トライアルに仕掛けられる典型的な罠を紹介します。
そちらもご覧いただければ幸いです。

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