英語で仕事 校正・校閲の報酬とメリット

英語で仕事 校正・校閲の報酬とメリット

以前の記事で、翻訳会社で校正・校閲の仕事をするための、トライアルの受け方を紹介しました。
この記事では、晴れて合格した後に、どのくらいの収入になるのか、そして報酬以外にどのようなメリットがあるのかを紹介します。

時給制と出来高制

校正・校閲の報酬体系には、働いた時間に応じて支払われる時給制と、チェックした原稿の文字数や枚数に応じて支払われる出来高制があります。
会社によっては正社員や契約社員として採用される場合もあるかもしれませんが、ここでは取り上げません。

翻訳会社の校正は、私の知る限り、高収入が狙える仕事ではありません。
仕事を発注する翻訳会社側としても、翻訳者になる前の修行期間と考えているように思います。
私が以前に仕事をもらっていたある会社では、研修などで会社に行って作業をする場合、時給1000円前後でした。
都内にある会社で、最低時給より少し高い程度です。
在宅で作業をする場合は、出来高制となり、作業量に所定のレートを掛け合わせた値が報酬となります。
私の作業速度が遅かったせいもあるのですが、最初のうちは時給換算で300円以下でした。
半年経って慣れてきて、ここだけの話ですが少々手を抜くようになっても、700円程度でした。

他の翻訳者の上に立って修正する立場になれば別なのかもしれませんが、これで一生食べていこう、という仕事ではないと思います。
しかし、ゆくゆくは翻訳者になるつもりでいるなら、次のようなメリットがあるので、経験する価値はあるかと思います。

メリット1 報酬をもらいながら勉強できる

翻訳者になるための勉強として、自分が携わる言語の文章を読むこと、そして各言語の対応する表現を知ることは非常に重要です。
校正・校閲では、原文と訳文を1文ずつ読み比べるため、お金をもらいながら訳し方を検討することができます。

特に、最終的にフィードバックがもらえる会社の場合には、誤訳を発見したときはチャンスです。
自分の訳を作って「こういう訳ではいかがでしょうか」と提案すると、問題がなければ、その訳を採用してもらえることが多いでしょう。
安いとはいえ報酬をもらいながら、自分の考えが妥当かチェックし、訳文を添削してもらうことができるのです。

メリット2 翻訳の現場を見られる

自分で勉強のために対訳を手に入れて読み比べる場合には、読めるのは原文と訳文だけです。
しかし、校正者として読む場合には、翻訳者がつけたコメントも読むことができます。
例えば原文に不備があった場合、世に出るときには修正されているかもしれませんが、校正・校閲の仕事では翻訳時の状態で見ることができます。

また、校正者として採用されたときに、翻訳会社が研修を課している場合があります。
こうした研修では、翻訳や校正という仕事のやり方、翻訳対象についての基礎知識(例えば特許制度)などを説明してくれます。
私はある会社では、校正者と翻訳者の両方で仕事をしたことがあるのですが、校正者向けの研修の方が手厚い内容でした。
校正者の仕事も知っておくことで、翻訳者になったときに、どういうコメントをつければ後工程がやりやすいかがわかってきます。

メリット3 マニュアルをもらえる

翻訳会社によっては、校正作業を円滑に進めるためのマニュアルを支給してくれる場合があります。
こうしたマニュアルには、誤訳が発生しやすい箇所や、その会社の訳し方のルールなどが記載されています。
翻訳者としてのトライアルを受けるときに、知っておけば有利に働くでしょう。

最後に

この記事では、校正・校閲者がもらえる報酬の実状や、報酬以外の利点を紹介しました。
収入は満足できる額とはいい難いですが、翻訳業界の入り口としては、他では得られない利点もあります。
別の記事で、トライアル突破のコツを紹介しています。
そちらもご覧いただければ幸いです。

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